【読書】ホモデウスの中に出てくる「アルゴリズム」というキーワードについて

今日は「ホモ・デウス」という本を読みました。

その本は人類(ホモ・サピエンス)がこれからどのように発展していくかを歴史・宗教・テクノロジーなど様々な視点を通して語っていく本です。

本屋に行けば基本的に平積みで置いてあるベストセラーです。

この前に「サピエンス全史」という本で話題を集めたユバエル・ノア・ハラリさんというユダヤ人の方が書いた本です。

教養を身に付けたい方はこの2冊をじっくり読めばかなりの教養が身につくと思います。正直僕はなかなか難しくて読むのが大変でしたが何度も読み直したり、わからない用語を調べたりしてだいたい理解できました。読み終わるとかなり世の中の見方も変わってきます。

ただ西洋人が書いているものなので、東洋人である僕らが読むと違和感のある表現とかもあります。なので、常に客観的な視点を持って読むことをお勧めしますね。

その「ホモ・デウス」の中で特に印象に残った「アルゴリズム」という項目の中で語られていたことをまとめていきます。

アルゴリズムとは

まずはアルゴリズムについて説明していきたいと思います。

アルゴリズムというのは簡単にいったら「段階」とか「ステップ」とか「カリキュラム」とか「仕組み」とか計算方法とかそういったものです。

暗号を作ったりする時も解いたりする時もアルゴリズムを使います。わかりにくいと思うので下に例を書いてみました。

平均の計算

いろんな数字の平均を出す場合には次のような方法を使います。

1 数字を全部たす

2 数字の分の数で割る

3 平均値が出る

この1〜3のステップを踏むことでどんなものの平均値も出すことができますね。これは平均値を出力するためのアルゴリズムということができます。

自動販売機

自動販売機は選んだジュースのボタンを押すと自動的にそのジュースが出てきます。

これはボタンを押されたら電気回路を介してジュースを出すというアルゴリズムが販売機に設定されていることでその動作をしているということです。

経営者

経営者や社長やコンサルタントと呼ばれる人たちはビジネスのアルゴリズムを常に考えて生み出しているのです。

一度自動で利益を生み出すアルゴリズムを作ってしまえば永遠にお金が入ってくるというものです。

まぁ簡単ですがここまででアルゴリズムというもののイメージはついたと思います。僕も本当にはじめて読んだ時アルゴリズムとかわけわからなくて何となくで本を読み進めてましたw

しかし「ホモ・デウス」にも書かれていますが、これからの世界は(というか今でもですが)、アルゴリズムの時代になると言われています。よって何となくでもアルゴリズムの考え方を知っておくことはかなり重要になります。

生物のアルゴリズム

そして、我々人間や他の生物の体や行動においてもアルゴリズムが存在します。

それはある情報を見てどんな行動を起こすかと言うアルゴリズムです。種として生き残っていくために強いアルゴリズムを持つ個体のみが生き残ってきました。つまりアルゴリズムは世代で強化されてきていると言えます。これも例を用いて説明します。

生存のためのアルゴリズム

シマウマの例で説明します。サバンナの中に2頭のシマウマA,Bがいるのを想像してください。

2頭のシマウマは自分たちの主食である草が多い茂った地域を発見しました。

しかしその影にはライオンが隠れています。

Aのシマウマは微かなライオンの影にきずいて草を食べに行くのをためらいました。

一方、Bのシマウマもきずいていましたが真っ先に草を食べに行ってしまいました。当然生き残ったのはAのシマウマです。

ここで考えたいのは、それぞれのシマウマは無意識下において生き残る可能性を計算し、その結果に基づいて行動したということです。

それは非常に複雑な個体にインプットされているアルゴリズムによって計算された行動です。そしてそれが生と死という大きな結果を生み出しました。

危険を過小評価するアルゴリズムを持つBのシマウマはライオンの餌食となり、その無鉄砲な遺伝子も次の世代に伝達されることはなくなります。

これらの生存のためのアルゴリズムは自然選択による絶え間ない品質管理を受けているということです。

繁殖

生存するだけではなく繁殖についてもアルゴリズムによって選択されています。

どういうことか。自分が受け取るべき遺伝子をある個体の見た目や生き残る能力を情報として取り込み、自動的に計算して(アルゴリズムによって)交尾する相手を決めるという出力になっているということです。

人間は本能的なアルゴリズム以外にも価値観や社会的なものが入ってきて複雑になりますが、生物について考えればこのような形でアルゴリズムによって相手を選んでいるんですね。

価値観が形成されていない小学校段階において足が速い人がモテるのは生物学的な本能アルゴリズムによるものなんですね。

さらに人間で考えれば、配偶者やキャリアやその場所など人生でもかなり重要な選択も含めて、僕たちが下す決断はほぼすべて感覚や情動や欲望と呼ばれる実に精密なアルゴリズムによってなされているのです。

人間と動物が共通で持っているアルゴリズム

そして様々なアルゴリズムが備わっている動物ですがその中に、人類とその他の哺乳動物が共有している核心的な情動アルゴリズムがあります。それは母親と子供の絆です。

哺乳類(mammal)

mammmalはラテン語で「乳房」という意味の単語に由来するそうです。また、日本語の哺乳という言葉も母親との絆が元になった言葉です。

哺乳動物の母親は本能的に自分の子供を大切に思うよになっています。

そして哺乳動物の子供も母親と絆を結びたいという圧倒的な欲求を感じ、母親がそばにいることを必要とします。

野生の世界においては母親との絆を結べなかった豚や犬や牛の子供は大抵長生きできないらしいです。それは人間の子供にしても同じ。

逆に子供のことを愛することができない母親は遺伝子を次の世代に伝えることができないと言い変えることができますね。

ハリーハーロウの実験

この母親との絆と言う情動的欲求が子供にとってどれほど重要なのかということを理解するためにある実験を紹介します。

心理学者のハリーハロウという人は有名な残虐な実験を行いました。

サルを使った実験です。

彼は誕生直後に猿の子供を母親から引き離し狭い檻の中に隔離しました。

その檻のなかには哺乳瓶を取り付けた母親がわりの針金の人形と、哺乳瓶のついていない柔らかな布で覆われた人形の2体が置かれていました。

その猿の子供は授乳してくれない布を纏った人形に懸命にずっとしがみついていたのです。

これが何を意味しているかと言えば、哺乳動物は食べ物だけでは生きられないということです。彼らは情動的な母親との絆つまり愛を必要としていたことが証明されました。

しかし悲しいことに布の人形は子供たちに愛を与えることがなかったので、その子供猿は対人関係や社会問題に苦しみ神経過敏で非社交的な大人になってしまったんです。

アルゴリズムは変えられる

「ホモ・デウス」ではこの後、家畜という産業が哺乳類のこの情動を無視していることは果たしていいのだろうか?という展開になっていくのですが、ここでは僕の思ったことを書いていきます。

情報の重要性

僕たちはこの先の時代で生き残っていくためにアルゴリズムを変化させ続ける必要があると感じました。

変化に強い個体が生き残るという生物学の法則がありますが、これは時代や状況に合わせてアルゴリズムを変化させてきた個体が生き残ってきたということです。

具体的な例を出せば、原始人は狩りができる個体が生き残ってきました。しかし現代の資本主義社会に原始人がきたらどうでしょうか。勝手に動物の狩をして、ただの犯罪者として捕まってしましますよね。極端にいうとこういうことです。

そして現代において自分のアルゴリズムを強く変化させていく方法は「正しい情報を得て行動し続ける」ことだと思います。

テクノロジー、健康、歴史、考え方、思想など常に外部から勉強をして行動し、習慣化(無意識に正しい選択ができるレベルに)することで、つまり自分のアルゴリズムを書き換えていくことが必要だということです。

特に現代日本においては、食べ物や着るもの住む場所も余るほどあるのに自殺やうつ病が増えています。今考えるべきなのは心の問題や働き方です。もっと大きく言えば幸福とは何かという問題になってきますね。(これはホモデウスにも書いてあります)

より幸せだったと言える人生にするには、今が時代の転換点にあることを認識して正しい情報を取り込み、行動や習慣を変えていかなければなりません。

有意識の不快に打ち勝て、楽しめ

しかしアルゴリズムを変えるのは超絶大変です。

それは自分の考え方や習慣を変えることだからです。もっと言えば人間には変化を本能的に嫌う性質があるからです。

この機能は人間を守るために備えられた機能です。変化が起きるということは危険が伴うことですからね。

例えば、住む場所を変えるのは危険ですよね。特に原始人の時代は。せっかく今安全で安定した生活ができているのに膨大なエネルギーを費やしてみんなで移住することはリスクが大きいです。

でも、移住をしてみれば今よりも食物が安定して取れて民族がもっと繁栄できるようになるかもしれません。

このように変化することは危険でもあり、より良くなるということでもあります。

そして個人としての変化は不快な感覚が伴いますね。

赤ちゃんが歩けるようになるためには、ハイハイとか何回も転ぶことだったりとか不快な思いをしないと歩けるようにならないのと同じです。

その不快を乗り越えれば、無意識に歩けるようになり、新しい世界を見ることができるし、行動の可能性も圧倒的に広がりますよね。

ここにも詳しく書いてあります

まぁ何が言いたいのかというと、成長していくには変化に伴う不快を楽しんでいこうよという話です。

不快とか違和感があるのは当たり前です。僕も朝のランニングを始めた時は毎朝苦痛でした。今もたまに眠さに負けそうになる時があります。

でも、なんとか続けていますし、それによって体も前より100倍以上心も健康的になりました。前より少しだけ自信もつきました。

そして、頭が悪い僕が本を読む習慣を続けることによって見える世界も変わってきています。

これからも変化を恐れずいろんなことにチャレンジして自分のアルゴリズムを進化させ続けていきましょう。

ということで以上になります。ありがとうございました。

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