皆さんこんにちは。
今日は煎茶の茶会がありました。
僕は1年半ほど前から月に一度、煎茶のお稽古に通っており、
本日はじめて、人前でのお点前をさせていただきました。
もともと「売茶翁」という人物に興味があり、煎茶については知ってはいたのですが取り組む機会がありませんでした。
しかし僕がピアノを習っていた先生のお母様が「高遊外売茶流煎茶」のお教室をされているということを聞き、「ぜひやってみたい!」と思い、稽古に通わせてもらうようになりました。
はじめて見ると、「煎茶」の世界が非常に面白いのです。
そして煎茶「道」と言うこともあり常に礼儀作法が重んじられます。
はじめの方は何度も何度も注意を受けました。
「居酒屋みたいにお茶を飲まない」「お菓子を一口で食べない」など笑
僕はこういったことが苦手でしたが1年半のお稽古を通じて
丁寧にお茶を入れると言う事、
お茶器具を丁寧に扱うと言う事、
季節に合わせた飾り物や季語を楽しむ
そんなことを学ぶことができました。

お点前の様子をとっていただきました!

お道具も一点一点が全てが一流の作家さんによるものです。
そもそも煎茶と言うのは、高遊外売茶翁が有名なのですが、お茶を飲みながら「禅」について説くということが本質にあります。
「ただにて飲むも勝手なり」と言う言葉が売茶翁の言葉として有名なのですが、
これは売茶翁が当時貴族しか飲めなかった「煎茶」を庶民にも広げているときに口にした言葉だと言われています。
茶器を背負って持ち運び、自分の気の向くままに自然の景色が綺麗な場所でお茶器具を広げ、そこに寄ってきた人々に煎茶を振る舞っていました。
「料金は自分で決めてね。ただでもおっけい」といいながら。
そこで季節について語ったり、「禅」について語ったり、そういったことを利益を求めずただひたすらに庶民にやってきたのか売茶翁です。
貴族の生まれにも関わらず、人生の前半は僧侶となり、後半はさらに出家したように京都の周りの山々で「移動式」カフェをおもむろに始めたのです。
京都の碁盤の目の「外」にある山々で遊ぶように「移動式」煎茶カフェをする。
これが「高遊外」と呼ばれるようになった所以です。
最先端感がやばいですよね。笑
こう感じるのは僕だけ?笑
文献によればお金に困ることもあったようですが、色々な人が自然に助けてくれていたようです。
実は日本初のノマドワーカーだったかもしれませんし、日本初のキッチンカー的なカフェを開いたのも売茶翁だったかもしれません。
そんな変わった売茶翁は、伊藤若冲などの当時の一流クリエイター(風流人)たちの間で「彼にお茶を入れてもらったことがなければ一流の風流人と言えない」とまで言われていました。
そんな変人の売茶翁に興味があった僕が、高遊外流煎茶道の師匠に出会えたのはとても嬉しいことでした。
今回のお茶会も15名ほどのお客様がいらして、はじめての人前でのお点前は非常に緊張しました。
しかしながら、その緊張感を感じつつも、
季節を感じさせる飾り物や、
一流の職人たちによって作られた趣向(季節の植物やお軸)、
こういったものに囲まれて、お茶席を楽しむことができました。
僕はこの「煎茶」を通じて、ただ「お茶を飲むと言う時間」の中に、
季節によって飾り物が変わることや、
「茶名」や「菓名」などの季語が変わること、
そしてお茶席にいる人たちと何気ない会話をすることこういったことがどれだけ楽しいことなのかということがわかりました。
現代のように情報が溢れる社会にいると、どうしても何かアクシデントやイベントを求めてしまいがちなのですが、
「煎茶」をすることによって禅の世界で「喫茶・軽食」と言われるように、
その場その場を満喫することができるようになります。
何もないと思われている世界においても、実は季節は移り変わり、人々の考えや人々の人生は移り変わっていて、いろんな色を見せてくれます。
そういったことを楽しめるのが、そういった幸せを感じることができるようになるのがこの「煎茶道」なんだと思いました。
丁寧にお茶を入れ、そしてみんなでそれを楽しむ。
自分の考えや社会の動き季節の動き
そういったものについて語り合うこれがどれだけ幸せなことなのか。
これを「煎茶」を通じて一緒に勉強させていただきました。
「禅」についてを言葉で説明することはできませんが、「道元」の「私観打坐」「知足」など、こういった事を通じて日常生活が実は修行の場であると言うことがわかります。
掃除・洗濯・炊事・喫茶・喫食・睡眠・座禅これだけでも人生は非常に有意義なものだといえます。
というか、そういうことをいかに「自分の中で楽しめるか、楽しいことに気が付けるか」だと思います。
それに加えて畑作業や、日常の仕事、
実は人生は楽しいことばかりです。
そして現代ではコンピュータやオンラインコンテンツなどさらに楽しいもので溢れています。
人生を満喫するには100年でも足りないくらいですよね。
これからもいろいろなことにチャレンジしていきたいと思います。
今回「煎茶」を通じて、人生を楽しむと言うことを教えてもらったんだと思います。
師匠や共に学んでいる仲間やお茶席に来てくださったお客様に心から感謝致します。
それでは!
コメントを残す