「鉄不足のサインに気づいてる?|疲れ・だるさ・集中力低下を救う鉄分の吸収アップ術」

はじめに|なぜ最近“健康系”の記事が多いのか?

こんにちは、Ryujiです。最近このブログでは、栄養や健康にまつわるトピックが増えてきました。というのも、実はここ最近、健康や体のしくみに関する知識を大きくアップデートしている真っ最中なのです。

日本にいた頃、分子栄養学の講座を2コースほど受講し、体の内部から整えるという視点に魅力を感じてきました。しかし、海外で暮らすようになってから、さらにその重要性を痛感するようになりました。

たとえばニュージーランドやヨーロッパでは、「ホリスティック医療(身体・心・栄養を包括的に見る医療)」が当たり前のように医療制度に組み込まれています。僕が今生活しているニュージーランドはカイロプラクティックやフィジオセラピーが保険でカバーされています。日本のように「症状を抑える」ことが中心の医療とは大きく異なります。

その結果、「治るものも治らない」ケースが日本では見過ごされがちなのではないか──そんな疑問が自分の中に芽生え、あらためて学び直そうと決意しました。

そんな背景から、最近の僕のブログでは“予防医学的視点”から見た健康知識をシェアする機会が増えているのです。

今回も、そんな学びの中から「鉄不足」とそれに伴う不調について、最新の知見と実践的な対策を交えてお届けします。

鉄分を味方につける「吸収率アップ術」

最近、なんとなく疲れやすい。朝がつらく、やる気が出ない。イライラしたり、集中力が続かなかったり……。そんな不調を感じているなら、それは「鉄不足」が関係しているかもしれません。


実は女性の65%が鉄不足?

厚生労働省の調査によれば、20〜40代の女性の約65%が「貧血」もしくは「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」の状態にあると報告されています。驚くほど多くの人が、無自覚のまま鉄不足を抱えているのです。そして、鉄は単に“摂ればいい”というものではなく、体への吸収率をどう高めるかがカギとなります。


鉄の3大ミッション

鉄は体内で非常に重要な役割を担っています。

ひとつ目は、酸素の運搬です。鉄はヘモグロビンの成分として赤血球に含まれ、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞へ届けます。酸素が不足すれば、当然ながら疲労感やパフォーマンスの低下が起きます。

ふたつ目は、エネルギーの生産です。細胞の中にある“エネルギー工場”であるミトコンドリアでATP(エネルギー通貨)を生み出す際、鉄が必要不可欠です。

そして三つ目は、脳や神経の働きのサポートです。気分の安定や集中力に関わる神経伝達物質、たとえばセロトニンやドーパミンなどの合成にも鉄が深く関わっています。


見逃せない「フェリチン」の数値

鉄不足のチェックといえば「ヘモグロビン」の値が思い浮かぶかもしれませんが、それだけでは不十分です。ヘモグロビンは“今すぐ使える鉄”、つまりお財布の中身のようなもの。一方、「フェリチン」は“体内に蓄えられている鉄”、いわば貯金の役割を果たします。

ヘモグロビンが正常でも、フェリチンが少なければ「隠れ鉄欠乏」の可能性があります。理想的なフェリチン値は50〜77 ng/mL以上。ここが低いと、見えないところで鉄が不足し、慢性的な疲労や不調を引き起こすことがあるのです。


鉄不足になりやすい原因と対策

鉄不足の原因は、大きく3つに分けられます。

まず1つ目は、月経による出血。特に高脂肪・高糖質な食生活はエストロゲン過多を招き、出血量を増やす一因となります。まずは食生活を整えることが基本です。

2つ目は、胃酸不足。鉄の吸収には胃酸が不可欠です。ところが、加齢やストレス、食生活の乱れによって胃酸の分泌が減っている人は少なくありません。食前に生姜や酢、パセリなどの食材を取り入れて、胃をやさしく刺激してあげましょう。

3つ目は、腸内環境の乱れです。腸に炎症があると、鉄の吸収力が大きく落ちてしまいます。ビフィズス菌や乳酸菌、さらにビタミンA・E・Dなど、腸内環境を整える栄養素をしっかり摂ることで、吸収力の回復を目指せます。


鉄の種類と吸収率の違い

食品に含まれる鉄には2種類あり、それぞれ吸収率に大きな違いがあります。

「ヘム鉄」は肉や魚など動物性食品に含まれ、吸収率は10〜25%と非常に高く効率的です。一方、「非ヘム鉄」は野菜や豆類、海藻などに含まれており、吸収率は2〜5%と低めです。

しかし非ヘム鉄も、レモンなどに含まれるビタミンCや、良質なタンパク質と一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。食材の組み合わせ次第で、鉄の効率は大きく変わるのです。


鉄の吸収を妨げる食品に注意

せっかく鉄を摂っても、その吸収を妨げる食品があることも知っておきましょう。

たとえば乳製品(牛乳やヨーグルト)は、カルシウムが鉄と“吸収の場”を奪い合ってしまいます。同時に摂らず、時間をずらす工夫が必要です。

また、玄米や豆類に含まれるフィチン酸は鉄と結びついて吸収を妨げます。ただし、納豆のように発酵された食品であればその作用は緩和されます。

カフェインにも要注意です。コーヒーや紅茶は、食前後1時間は控えることで鉄の吸収を妨げにくくなります。


サプリで補うなら?

食事で補いきれない場合には、鉄サプリの活用も選択肢のひとつです。とくに「ビスグリシン酸鉄」などのキレート鉄は、吸収率が高く胃にもやさしいとされています。ただし、鉄の過剰摂取は体にダメージを与える可能性があるため、自己判断ではなく医師や専門家の指導のもとで使用することが望ましいです。


鉄と向き合う生活習慣

鉄は単なる栄養素ではなく、活力と集中力、そして心のバランスを支える“土台”のような存在です。疲れやすさや気分の不調を年齢のせいと片づけてしまう前に、一度“鉄バランス”を見直してみてください。

食事の工夫、胃酸のサポート、腸内環境の改善、タイミングを意識した食品選び、そして必要に応じたサプリの活用。これらの積み重ねが、あなたの毎日をぐっと軽やかにしてくれるはずです。

終わりに|“なんとなく不調”から抜け出す一歩を

日々の疲れややる気のなさ、朝のだるさ、ちょっとしたイライラ――これらは決して「年齢のせい」や「気のせい」ではありません。体の中で静かに進行している鉄不足、特に“隠れ鉄欠乏”が、その原因になっているケースは想像以上に多いのです。

でも逆に言えば、鉄という栄養素と向き合い、きちんと吸収されるかたちで日々の生活に取り入れるだけで、体は確実に変わっていきます。食べ方を少し工夫する、食材の組み合わせを意識する、サプリを選ぶときに「吸収率」を見る――そんなちょっとした知識と実践が、心身の軽やかさにつながります。

僕自身も、分子栄養学の視点から日々の食事を見直すようになってから、エネルギーの質がまったく変わったと感じています。だからこそ、このブログでは「知らなかったら損してしまうかもしれない」健康知識を、わかりやすく、楽しく伝えていきたいと思っています。

あなたの体と、日々のコンディションは、ほんの少しの工夫で変わるかもしれません。次回もまた、暮らしに役立つ栄養や体のしくみを深掘りしていく予定ですので、お楽しみに。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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