【読書】肩をすくめるアトラス

久しぶりの更新です。

ここ最近は、「筋トレ」「英語学習」「仕事」の日々です。

たまに「ハイキング」「スカイダイビングの練習」や「アイススケート」をしています。

そして読書です。

かれこれ、4ヶ月以上にわたって読み続けてきた小説がやっと読み終わりました。

僕は5冊〜6冊を並行して読んでいたり、引用で見つかった本を途中で購入してそれを読み始めたりしてしまうので中々時間がかかりました。

しかも今回の「肩をすくめるアトラス」は1〜3部構成の全部で1600ページほどある大作でした。

アメリカでは「聖書の次に読まれている書籍」と呼ばれている有名な本です。

著者の「アイン・ランド」をみなさんはご存知でしょうか?

「現代のアメリカ資本主義」の根幹となる思想家として多くの人がその思想の虜になりました。

社会主義や共産主義によって生み出される、「堕落」や「社会主義における支配層」を強烈に批判する一方で、資本主義における「起業家」や「事業家」のアイデアや行動力の社会的な価値を見直すべきだと主張します。

この小説の中でも、何度も何度もその描写が具体的な物語の中や細部の描写で出てきます。

この物語の中で、

「自分では何もできないもしくはやらない一方で、みんなのためだと言いながら自分よりも優秀な人間にアイデアを出させて、それを実行させる人々(政治家や2代目の大企業の社長やその親族たち)」のことを「たかり屋」と読んでいます。

主人公は2代目の社長の妹で、ダグニー・タッカードという人物です。

この人物は、「行動力・思考力・知識・センス・危機管理能力」ともに優れていて、(兄=2代目の鉄道会社の口だけ見栄っ張り社長)などのたかり屋さんに都合よく使われていました。

 

そんなたかり屋だらけの世の中に嫌気がさした、社会で「優秀」とされる人々が一生懸命責任感と誇りを持って目的のために働く人だけを集めて、こっそりと「たかり屋たち」には絶対に見つけられない場所で、新しいユートピアを作り始めるのです。

社会では、政治家たちが知らぬうちに次々と優秀な人材(知性と行動力に溢れた人材)が消えていき、気がついたときには自分たちは何もできないときづき、物語中のアメリカ社会は崩壊していきます。

このユートピアづくりのリーダーの名が「ジョン・ゴールト」でした。

そして、ダグニー・タッカードの恋人なのです。

 

最終的にはたかり屋の社会は完全に崩壊(行政や企業の中には自分の責任ではないという人しか残っていない状況で、どんな問題が起きても人のせいにして逃げ続ける社会になってしまい、政治家たちも人のせいにし続けて国家が破綻した状態)し、

 

ジョンゴールトがこっそりと作ってきた世界が、自ら行動する勇気と責任感を持った人間たちの社会が、花を開いていくところで物語が終了しました。

 

「たかり屋」と「新世界」を作る人々との間の戦いや、主人公の(今の社会を見捨てることはできないけど、もうどうしようもないという)葛藤など見どころが満載でした。

ちなみに、これは1959年に書かれたもので、ソ連の共産主義批判というものが思想の根底にあり、現代資本主義を正当化するための「思想書籍」なので賛否両論はかなりあります。

ですがこの書籍に向き合って読書をすることは深く社会や個人の生き方を考える上で意味があると思いました。

人間とはどのような特性があり、社会とはどのように動いていくものなのか。

ぜひご一読をお勧めします。

アメリカで聖書の次に読まれていて、日本では全く有名にならないのはなぜなのかも考えながら読むと面白いかもしれません。

 

ということでニュージーランドでも読書を楽しんでします!

 

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